コラム
2021/12/17
【管理栄養士が考える】特定保健指導のICT面談 メリット・デメリット
コロナ禍以降、特定保健指導の初回面談のICT化が急速に進みました。
これまで、対面面談の経験しかなかった人にとっては、画面越しに対象者をきちんと見ることができるのかという不安も大きかったと思います。
今回は、実際にICT面談を経験して感じたメリット・デメリットについてご紹介したいと思います。
ICT面談とは
特定保健指導の初回面談では、対面面談とICT面談が認められています。
ICTとは、“Information and Communication Technology”の略で、「情報通信技術」のこと。
ICT面談は、以下のようなアプリなどを使って、画面越しにお互いの顔を見ながら面談を行います。
★よく使われるアプリ★
- ZOOM(Zoom)
- Facetime(Apple)
- GoogleDuo(Android)
- teams(Microsoft)
- Google Meet(Google)
- Webex(Cisco)
ICT面談のメリット
●同じ場所にいながら、全国各地の対象者との面談が可能
ネットワーク環境さえあれば、同じ場所にいながらも、全国各地の方との面談が可能です。
「冬は、雪が積もるのでウォーキングが出来なくなるが、雪かきがよい運動になる」「利根川沿いのサイクリングコースをサイクリングするのが日課」など、各地のご当地ならではの話題が聞けるのも新鮮です。
●対象者の負担が軽い
ICT面談では、時間や場所の選択肢が広がります。
例えば、対象者の「会議と会議の合間」や「アポイントの移動途中」「休日自宅で」など、柔軟にスケジュールを組むことが可能です。
忙しくて、保健指導を受けることができなかった対象者も、「ICT面談なら調整可能」と前向きになってもらえることもあります。
実施率の向上が課題とされる特定保健指導では、 ICT面談は、今後ますます拡がるでしょう。
●対面と変わらない質の高いコミュニケーションが可能
ICT面談では、上手くコミュニケーションがとれるのか不安に感じる人も多いでしょう。
実際には、ICT面談でも、十分、質の高いコミュニケーションをとることが可能です。
若干、タイムラグにより、会話のタイミングがずれることもありますが、それが逆に笑いにつながり、話がはずむこともあります。
ICT面談のデメリットと対策
■整形外科疾患の有無は必ず確認しましょう
例えば、歩き方に左右の偏りがあったり、杖を使って歩かれていたり、整形外科疾患は、ICT面談では分かりづらいです。
【対策】
- 運動目標を設定する場合は、「関節に痛みがないか」「過去に大きなケガはないか」など、確認しながら進めましょう。
■ネットワーク環境、機器のトラブルは、起こるものと考えましょう
通常、面談は、Wi-Fiもしくは、モバイルデータ通信、有線LANを使用して行います。
これらのネットワーク環境の電波が弱いと一時的に、音が途切れたり、画像が静止することがあります。
その他、接続の方法などの操作が分からない対象者に対して、操作方法を案内することもあります。
【対策】
- 電波が弱い:
自分もしくは相手の電波が一時的に弱くなることは、ある程度仕方ないと割り切りましょう。電波が回復せず、面談が進まない場合は、環境を変えて再調整が必要となる場合もあります。スケジュール調整時に、対象者にネットワーク環境があるかどうか確認をしておくといいでしょう。
有線LANは、電波が安定しやすいので、おすすめです。
- 操作方法がわからない:
使用するアプリは、面談前に分かっていますので、基本的な操作方法はあらかじめ確認しておきましょう。
≪よくあるケース≫
- ZOOMのオーディオの接続が上手くいかない→オーディオの再接続
- ミュートが解除されておらず、声が聞こえない→ミュート解除
- カメラが許可されておらず、相手の顔が映らない→端末やアプリのカメラ設定を許可する
【実際に使ってみた】ICT面談におすすめのアイテム2選
1. ノイズキャンセリング付きのイヤホン・ヘッドホン
どんなに面談者一人だけの環境を作っても、自宅であれば、チャイムが鳴ったり、ペットが泣いたり、救急車やパトカーの音が聞こえたりと音をゼロにすることは難しいですよね。
面談中、対象者のプライベートな話を聴いているときには、なるべく外からの音は避けたいところ。ノイズキャンセリング機能がついたイヤホンなら、外部からの音が気になりません。
2. タブレット
PC操作に自信がない方も、タブレットなら、必要なアプリをインストールして、面談を行うことができます。スマホと比べても操作性が高く、ICT面談には、おすすめです。
まとめ
最初は、ICT面談に不安を感じる人もいるかもしれませんが、いざ挑戦してみると、そのメリットに大きな魅力を感じるはずです。
ICT面談は、在宅で行う場合とオフィスで行う場合とがあります。
在宅では、プライベートな環境が作りづらいという方には、オフィス型のICT面談を選択するのもおすすめです。
ネットワーク環境も安定していますし、設備が整っているため、操作などのトラブルが起こった時に、専門のサポートが受けられる点も心強いですよ。
管理栄養士・松岡 喜美子
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