コラム
2022/09/15
【注目】フードテック ~プラントベースフードに迫る~
植物由来の原材料からなる食品を「プラントベースフード」といいます。
環境にやさしく、SDGsの普及とともに世界中で広がっており、種類も豊富になっています。
今回は、私たちの身近な食品となっている「プラントベースフード」に迫ってご紹介します。
プラントベースフードとは?
プラントベースフードとは、植物由来の原材料を使用して作られた食品全般をいいます。
2020年以降注目を浴びているのは、「代替肉」「代替卵」のような動物性食品に似せて作られたものです。
おもに原材料となっているのは、「大豆(豆類)」です。
代替肉の代表ともいえる「大豆ミート」は、素材としてだけではなく、ハンバーグやミートボール、パスタソースの具など、さまざまな加工品にも使われています。
大豆ミートを使用したメニューを取り入れる飲食店も増えています。
プラントベースフードはベジタリアン向けなのか?
プラントベースフードの意味を知ると、菜食主義であるヴィーガンやベジタリアン向けなのかと思いますよね。
でも、実際には、そうではありません。
プラントベースフードには、原材料全てが植物由来でなければならないという定義はありません。
「大豆ミート」を例に考えてみましょう。
2022年2月24日に大豆ミート食品類のJAS規格が制定されるまでは、市販の「大豆ミート製品」には、牛肉やほかの食肉を含んでいるものが混在していました。
現在、「大豆ミート」は「大豆ミート食品」と「調整大豆ミート食品」の2つに分けられ、明確に基準が定められています。
「大豆ミート食品」は100%植物性原材料で作られているのに対し、「調整大豆ミート食品」には、卵や乳が含まれている可能性があります。また「調整大豆ミート食品」に使用する調味料には、動物性原材料を使用できます。
健康やSDGsのためにプラントベースフードを選択する
①“健康”のため
動物性食品と聞くと「脂肪が多い」「コレステロールが心配」など、健康上気になる人も多いのではないでしょうか?
それに対して植物性食品は「脂質が少ない」印象が強く、ダイエットや健康のために取り入れる人も増えています。
大豆の炭水化物は一見多いように見えますが、その多くが食物繊維です。
また、脂質は大豆の方が少なく、エネルギーも控えめであることが分かります。
②“SDGs”のため
以前記事にしましたが、大豆の生産には飼料を必要とせず、水などの資源も家畜と比べると少なくすみます。
詳しくは、こちらの記事を参考にしてください。
多様化するプラントベースフードの種類
- 「大豆」を原料とした代替肉(大豆ミートなど)
- 「大豆・豆類」を原料とした代替卵(マヨネーズ、スクランブルエッグなど)
- 「大豆」を原料とした豆乳
- 「オーツ麦」を原料としたオーツミルク
- 「アーモンド」を原料としたアーモンドミルク
- 「ココナッツ」を原料としたココナッツミルク
- 上記の植物性ミルクを使用したチーズやヨーグルト、バター
など、種類も豊富です。
まとめ
プラントベースフードは、私たちにとってとても身近なものとなっています。
「ネクストツナ」「代替マグロ」のような代替魚介類の開発も進んでいます。
環境保護や健康のためにプラントベースフードを取り入れるなら、1週間に1回だけプラントベースフードを取り入れる「ゆるベジ」もおすすめです。
これからますます進化していくプラントベースフードには目が離せませんね。
管理栄養士・松岡 喜美子
<参考>
・日本農林規格 大豆ミート食品類
kikaku_itiran2-422.pdf (maff.go.jp)
・日本農林規格の制定について
https://www.maff.go.jp/j/jas/attach/pdf/211214-9.pdf