コラム
2021/07/01
知っておきたい!お酒の分類と適量
飲みすぎはよくないということは、誰もが分かっています。
分かっていてもついついやめられないのがお酒。
今回は、そんなお酒について基本的な知識から上手に楽しむコツを2回に分けてご紹介します。
お酒の分類
一般的にお酒は、「醸造酒」「蒸留酒」「混成酒」の3つに分けられます。
★醸造酒
特徴:酵母によって糖を発酵させて作られます。
種類:清酒、ワイン、ビール
アルコール度数:~約20%
★蒸留酒
特徴:醸造酒造りの途中段階でできる「もろみ」を蒸留して作られます。蒸留を繰り返すほど、アルコール度数が高くなります。
種類:焼酎、ウィスキー、ウォッカ
アルコール度数:約25%~
★混成酒
特徴:醸造酒や蒸留酒を混合し、糖分や香り成分、果実や薬草などを加え、有効成分を溶かし込んで作られます。
種類:みりん、梅酒、酎ハイなどのリキュール類
アルコール度数:さまざま
お酒の適量とは? ~日本基準と国際基準~
現在、厚生労働省の示す指標では、純アルコール量20g程度を「節度ある飲酒量」としています。これは、「飲んだお酒の量(ml)」ではなく、摂取した「純アルコール量(g)」が基準となります。
【計算式】
純アルコール量(g)=アルコール濃度(%)÷100×酒量×0.8(アルコールの比重)
計算が面倒!という方は、<アルコール度数(%)×0.8>で、100ml当たりの純アルコール量が分かるので、適量を見つける目安にしましょう。
★基準飲酒量(Standard drink):ドリンク
世界各国でも、基準飲酒量が定められています。
【国別】1ドリンク当たりの純アルコール量
- 米国:14g
- デンマーク:12g
- オーストラリア、ニュージーランド:10g
- 英国:8g
- 日本:10g
日本では、「節度ある飲酒量を20g」としていますが、予防の観点から「1ドリンク:10g」という単位が使用されています。
「節度ある飲酒量」は、2ドリンクに相当します。
また、女性や高齢者は、アルコールの影響を受けやすいため、「純アルコール量10g(1ドリンク)」以内に抑えることが望ましいとされています。
※エネルギー/糖質 100ml当たり
アルコール度数はあくまでも参考です。
普段飲むお酒のボトルや缶に書いてあるアルコール度数で実際の量を確認しましょう。
糖質量 vs カロリー vs 純アルコール量
お酒をテーマに話すとき、カロリーを気にするべきか、糖質量なのかといった質問を受けます。
上記の表からもカロリーを気にする場合、一見、ビールやチューハイがよいように見えますが、糖質量を気にする場合、焼酎などの蒸留酒がよいように見えます。
糖質制限が話題となった頃、「糖質の含まない蒸留酒ならいくら飲んでも大丈夫」といった言葉をよく耳にしました。
ビールを500ml飲んでいる人が、焼酎200mlに変えると、糖質量は、15.5gから0gに減らせます。
一方、純アルコール量は、ビール500mlなら20g(2ドリンク)ですが、焼酎200mlでは40g(4ドリンク)と2倍になります。
ちなみに、カロリーは、ビール500mlなら195kcal、焼酎200mlなら288kcalです。
少量のアルコールは、血糖値を下げてインスリンの働きを高めると言われていますが、大量に摂ると、逆に、インスリン分泌が低下し、血糖値をあげる原因になりかねません。
まとめ
お酒は、製法によって3つに大別されます。
醸造酒は、糖質を含みますが、アルコール度数は低めです。
蒸留酒は、糖質は含みませんが、アルコール度数が高めです。
混成酒は、糖質を多く含むものが多く、アルコール度数はさまざまです。
このように、製法によってそれぞれ特徴が異なります。
糖質を含まないお酒も、大量に摂ると、インスリン分泌が低下し、血糖値があがる原因となりますし、アルコールの食欲増進効果により、食べ過ぎてしまうと、糖質を含まないお酒を選んだとしてもそのメリットは得られにくいでしょう。
次回は、お酒の上手な楽しみ方についてご紹介します。
管理栄養士・松岡 喜美子
≪参考≫
・e-ヘルスネット
アルコールの作用 | e-ヘルスネット(厚生労働省)
飲酒量の単位 | e-ヘルスネット(厚生労働省)