コラム
2020/03/18
【管理栄養士が語る!】低糖質スイーツについて調べてみた
「低糖質」のブームが続いており、スイーツ専門店だけでなくコンビニやスーパーでも「糖質○○%オフ」や「糖質○○g以下」を謳った商品を見かけるようになりました。管理栄養士・栄養士の皆さんも保健指導の最中に「低カロリーならたくさん食べても良いの?」といった質問を受け、返答に困った経験がある方も少なくないのではないでしょうか。
今回は筆者自身が「そもそも低糖質等のヘルシーさを売りにしたスイーツって何なのだろう?」と感じた疑問から紐解いていきたいと思います。今回はこのような商品の良し悪しを考えるのではなく、実態について改めて確認する機会にしていきましょう。
低糖質ブームと糖質制限について
糖質制限とは本来、糖尿病患者の血糖値コントロールのために提言された食事方法でした。糖質をゼロにするという意味ではなく、ご飯やうどん等の主食を抜いておかずをしっかり食べるという手法を取られていることが多いようです。
「糖質を減らす」というブームは食品業界全般に広まり、現在は間食のスイーツにまで及んでいます。特に「糖質○○g以下」と謳った商品は数多く出てきています。
栄養強調表示について
かつて「○○たっぷり」「○○オフ」といった栄養成分の増減の強調表示は、従来健康増進法によって定められていました。しかし現在は食品表示法により統合されています。
上記のような表示を行う場合「従来品」等の比較対象食品を特定するために必要な事項、そして比較対象食品に比べて強化(低減)された量又は割合を強調表示する部分に近接した場所に表示しなければなりません。
低糖質スイーツの特徴
コンビニなどで低糖質を謳った商品はケーキやドーナツの小麦粉の一部を大豆粉に置き換えたり、小麦ブランやオーツ麦ブラン、イヌリンを添加するなどして食物繊維が多く含まれていることを強調しているものがトレンドのようです。砂糖の代用としては主に人口甘味料に頼っています。特に多いのがエリスリトールで、現在の研究では体内でほとんど吸収されず尿中に排泄されるため熱量は0、血糖値にも影響を与えないとされています。
商品の謳い文句だけでなく、食品全体について見つめてみよう
対象者様の中には、減量を意識し始めると「カロリーが少なければ少ない程良い」といった考えに偏り、食品のエネルギーの欄のみをチェックしている方もいらっしゃいます。そのような方にまず食品表示の読み方やどのような成分で構成されているかをお伝えしたところ、驚かれたこともありました。
実際の商品の食品表示を見ながら、対象者様と間食の摂り方などについて話し合うのも一つの手になるかもしれません。ぜひ活用してみてください。
管理栄養士・中級食品表示診断士 栗城智子
≪参考資料≫
東京都福祉保健局HP 食品衛生の窓
https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/shokuhin/hyouji/shokuhyouhou_eiyou_kyouchou.html
「糖質オフだから毎日食べてもふとらないお菓子」石澤清美 著 主婦の友社