インフルエンザが落ち着いたと思った矢先、新型コロナウィルスの感染が世界規模で広がり、収束の目途のつかない状況となっています。重症化を予防するためにも「免疫力を高める」事が大切です。管理栄養士、栄養士にとって「免疫力を高める」方法として支持が高いものは、いったい何でしょうか？専門職ならではの「免疫力を高める」食材やその活用法をアンケート結果からご紹介します。

☆管理栄養士・栄養士が認める【免疫力を高める食材】ランキング☆

第1位：発酵食品
圧倒的な支持を得たのは、「発酵食品」です。「発酵食品」には、ヨーグルト、納豆、味噌、麹、漬物、酢など食品から調味料まで様々です。バリエーション豊富で日常的に取り入れやすいというメリットも高い支持を得たポイントでしょう。これらの「発酵食品」に含まれる乳酸菌を日常的に摂ることで、腸内環境を整える効果が期待できます。最近では、乳酸菌サプリもよく見るようになりました。発酵食品は、今後ますます注目されそうです。

第2位：ショウガ
次に支持多かったのが「ショウガ」です。これは、「体を温める」「体温を上げる」効果を期待した結果でしょう。体温が低いと血流が悪くなり、身体に備わった免疫システムの働きを弱くします。体温が1度下がると免疫力が30％下がるとも言われています。ちなみに、「ショウガ」の成分は、ジンゲロールとショウガオールに分けられます。生の「ショウガ」には、ジンゲロールしか含まれませんが、加熱したり乾燥したりするとショウガオールが作られます。つまり、体温を上げることを目的とするなら、「ショウガ」を加熱したり乾燥したりして摂る方が効果的なのです。

第3位：緑黄色野菜
「緑黄色野菜」には、抗酸化作用の強いファイトケミカルが含まれています。具体的には、ビタミンC、ビタミンE、ポリフェノールなどがあげられます。これらの成分は、免疫機能を邪魔する活性酸素を除去する働きがあり、免疫力を高める効果が期待できます。

☆管理栄養士・栄養士がおすすめする
【免疫を高めるため、優先的に見直す・取り入れるべきこと】ランキング☆

第1位：十分な睡眠をとる
意外にも、わずかに「食生活を整える」を抜き、「十分な睡眠をとる」が1位でした。

睡眠の乱れは、免疫機能の低下につながることが分かっています。風邪をひくと身体がだるくなり、眠くなりますよね。これは、体の生体防御の一つと言われています。また、質のよい睡眠がとれている間には、成長ホルモンが分泌され、これが、疲労回復や体の修復などの役割を果たしています。1日の疲れをリセットするためにも質、時間ともに十分な睡眠が欠かせません。

第2位：食生活を整える
管理栄養士・栄養士にとって「食生活を整える」ことは欠かせません。具体的には、「食事時間を規則正しくする」「食事バランスを整える」「遅い時間に食べない」「加工食品はほどほどに」など様々でしょう。Q1で、紹介した食材をバランスよく摂り入れることで腸内環境を整えたり体温を上げたりすることにつながります。

第3位：生活リズムを整える
十分な睡眠をとる事、食生活を整える事を含め「生活リズム」を整えることは、体の生体防御反応を正常に働かせるために欠かせません。食事だけでなく、睡眠、適度な運動など、すべてのバランスが大切であると理解されている結果ですね。

Q3. 免疫力UPにおすすめの料理や生活法がありましたら教えてください。

～食事～

• ［玉ねぎ微塵切り＋プレーンヨーグルト］を常備しておき、様々な料理のトッピングにする
• 粉末の生姜を飲み物に溶かしたり、ホットの緑茶に少量の生姜を入れて飲む
• キムチ鍋  発酵食品で免疫力アップ キムチに好きな野菜を足してお肉等好みのものを入れる簡単鍋
• プロバイオティクス（発酵食品など）を日常的に取り入れる
• 腸内環境を整えるため、空腹感を感じてから食事をする
• 白血球の働きを強くし免疫力アップの為ビタミンCをサプリや粉末（オブラートに包んだもの）を摂取
• 免疫をアップさせるビタミンDの多いキノコと硫化アリルの多いネギ、ニンニク。肉や魚のタンパク質もしっかり取れる鍋
• 野菜なら、皮を全部剥くのではなくトラ剥きにして皮からの栄養を取る。全部残すと抵抗があると思うがトラなら少しは食べやすいハズ！
• 緑黄色野菜を使ったスムージー

～運動～

• ほぼ毎日プチ筋トレをしていますが、していなかった時より疲れが溜まりにくくなる！
• 適度な運動をして身体を温める

～睡眠・休養～

• 睡眠を多くとる
• 好きな入力材を入れたりして、お風呂にゆっくりつかりあたたまる
• 夜に簡単なストレッチをして寝付きを良くする。

～その他～

• 手洗いうがいの徹底
• 意識して深呼吸をすることとよく笑うことで、自律神経が整い免疫力が上がる

まとめ

アンケート結果から、免疫力を高めるための食材としては、「発酵食品」や「ショウガ」、「緑黄色野菜」のように、腸内環境を整えて、体温を上げ、さらに抗酸化力の高いファイトケミカルを多く含むものがおすすめのようです。また、免疫力を高める方法として、圧倒的に食事についての意見が多数でした。これも食のエキスパートである管理栄養士・栄養士ならではの結果でしょう。中には、キムチやヨーグルトを手作りされているという意見もあり、さすが管理栄養士・栄養士です。

また、意外にもサプリメントなどの補助食品も上手に活用されていることが分かりました。手作りも大切にしつつ、足りないものは補助食品で上手に補うことで、免疫力を高めて感染症などの流行に負けない身体づくりに取り組んでいるのですね。この結果を、日々の指導にも生かして、管理栄養士・栄養士が関わる全ての方々を元気にしましょう！

管理栄養士・松岡　喜美子

≪参考資料≫

日本調理科学会誌
https://www.jstage.jst.go.jp/article/cookeryscience/48/6/48_398/_article/-char/ja/

日本睡眠学会
http://jssr.jp/data/kiso.html

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