コラム
2020/03/06
【コラム】カロリー制限だけではない。ダイエットに欠かせない時間栄養学
「ダイエット」と言えば、真っ先に「カロリー制限」を思い浮かべるでしょう。
しかし、働き盛りの方が、毎日カロリー計算をして食事制限をすることは、非現実的と言えます。そんな時に役立つのが、時間栄養学です。
働き盛りの方であれば、時計は必ず目にするので、取り組みやすいというメリットもあります。今回は、そんな忙しい方でもできる、時間栄養学ダイエットについてご紹介します。
時間栄養学とは
同じカロリーの食事を摂っても、食べる時間によって脂肪になりやすかったりなりにくかったりします。
これには、「体内時計」が関わっています。
体内時計は、体温やホルモンの分泌、睡眠、食欲、消化、代謝などに影響します。朝の光を浴びたり、朝食をとると、体内時計にスイッチが入り、カロリーを燃やしやすくします。
ダイエットのメカニズム
ダイエットを成功させるためには、摂取カロリーよりも消費カロリーを増やさないといけません。毎日食べるものや飲み物のカロリーを計算し、消費カロリーを計算することは、簡単ではありません。また、カロリーばかり気にして食事をすると、体重は減少しても、筋肉を落としてしまったり、カルシウム不足によって骨粗しょう症の原因になったりすることもあります。
カロリーをあまり気にしない簡便な方法として、時計と体重計を見る方法があります。時計はスマートウォッチのように、歩数や消費カロリーなども自動的に出るものであれば、よりモチベーションもあがります。カロリーではなく時計を見てダイエットに取り組むなら何となく習慣化出来そうですよね。
朝食を食べるメリット
朝食を食べたほうがよいということは、誰もが知っていることでしょう。中には、朝食を食べると体重が増えると思い、朝食を抜く方もいます。朝食を食べる大きなメリットは2つあります。
- 体内時計をリセットして、規則正しいリズムを維持する
- 脳のエネルギー源(グルコース)を補給する。
朝食を欠食すると、筋肉を取り崩してグルコースを作りだし、脳の活動を維持しようと働きます。結果的に、代謝の低下が起こり、太りやすくなります。
栄養バランスの整った朝食を摂ることが理想ですが、時間をかけられないとき、朝食を選ぶポイントは、「糖+アミノ酸」です。
忙しい朝におすすめの朝食
卵ご飯、納豆ご飯、ご飯+豆腐入りお味噌汁、チーズトースト、卵サンド、パン+ヨーグルト、シリアル+牛乳
遅い時間の食事には要注意
残業をなるべくしないような傾向にありますが、職種や、ワークスタイルによっては、帰宅が21時を過ぎる方も多いですよね。遅い時間の夕食は、時間栄養学から見ると、注意が必要です。
同じ食事でも食べる時間によってDIT(食事誘導性熱発生)が異なります。つまり、同じ食事でも食べる時間によっては太りにくかったり太りやすかったりします。
朝食では、カロリー消費が高く、夜食では、カロリーは余りやすく、大半が脂肪になります。ダイエットを成功させるためには、21時以降は食べないことが理想ですが、どうしても夕食が21時以降になる方には、油の少ない軽めの食事をおすすめしましょう。
遅い時間の夕食におすすめの軽食
★鶏ささみ入りにゅうめん
- 鍋にお湯を沸かし、小松菜をゆでてざるにあげ、次にそうめんをゆでて、流水で洗う。
- 鍋に、だし昆布とお湯を入れ、沸騰したら、筋をとった鶏ささみを入れて2分加熱し、しばらく置いておく。
- その間に、好みの具を用意する。(例/椎茸:薄切り、細ねぎ:小口切り、小松菜:3センチくらいに切る)
- 鶏ささみを鍋から取り出し、手で食べやすい大きさに割く。
- だし汁に薄口しょうゆ、料理酒、みりん各小1を入れ、椎茸も入れて温める。
- 温まっただし汁にそうめんを戻し、小松菜、ねぎ、ささみをトッピングして出来上がり。
まとめ
減量指導をする際に、カロリーの説明を行うことも大切ですが、対象者のライフスタイル、環境、嗜好などを考えると、食べる時間や量の配分を変えるほうが継続しやすい場合もあります。
これまでの指導に、時間栄養学を取り入れると、うまくいかなかった方への指導もうまくいくかもしれません。
管理栄養士・松岡 喜美子
≪参考資料≫
時間栄養学-時計遺伝子と食事のリズム- (書籍)