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2022/05/16

【健康もスタイルも維持したい♪Ⅰ】体脂肪を理解する


4月に新年度を迎え、新たな気持ちでスタートを切られた方も多くいらっしゃると思います。
そんな時こそ向き合ってほしいのが、自分の身体です。
環境の変化は、気持ちを一新させるよい刺激にもなりますが、時にはストレスとして感じてしまうこともありますよね。
今回は、年齢や環境の変化とともに起こりうる体脂肪の変化との付き合い方について2回にわたってご紹介します。
 

体脂肪とは

身体は大きく分けて「水分」「筋肉など(たんぱく質)」「骨など(ミネラル)」「脂肪」から成り立っています。この内「脂肪」以外を「除脂肪」と言います。

体脂肪には、「必須脂肪」「貯蔵脂肪」があります。

「必須脂肪」は、体温維持やホルモンの働きや生理機能を正常に保つなど健康を維持する上で必要な脂肪です。男性で体重の3%、女性で体重の12%前後と言われています。

「貯蔵脂肪」は、名前の通り、予備のエネルギーとして蓄えられている脂肪のことです。
貯蔵脂肪が過剰になると、スタイルが崩れたり、健康上の問題がおこります。

 

「必須脂肪」を無理なダイエットで落とすのはNG!

「脂肪」というと「内臓脂肪」「メタボ」といった「肥満」に関連する言葉を連想する方が多いと思いますが、実際には、20代から30代の女性はやせている人が多い傾向にあります。
例えば、スタイルを気にして極端な食事制限をしたり、スポーツのパフォーマンス向上のためのダイエットにより、必須脂肪を落としてしまうことがあります。
女性の場合、体重の12%前後が必須脂肪といわれていますので、これ以下にしてしまうと生理機能に異常が生じる可能性が高くなります。

 

「貯蔵脂肪」は、3種類に分けられる

「貯蔵脂肪」は、蓄積される場所によって名前が変わります。
皮下脂肪:皮膚のすぐ下につく脂肪。腰回りやお尻などにつきやすい特徴があります。
内臓脂肪:胃や腸などの内臓のまわりにつく脂肪。
異所性脂肪:肝臓、心臓、腎臓、骨格筋などの脂肪組織以外の場所につく脂肪。


健康上注意したいのは、「内臓脂肪」「異所性脂肪」です。 これらが過剰に蓄積すると、動脈硬化が進行し、生活習慣病などの原因となります。

また、肝臓に異所性脂肪がついた状態を「脂肪肝」といいます。

 

年齢とともに体脂肪がつきやすくなる理由

年齢とともに筋肉などの除脂肪量が減少し、基礎代謝が低下します。
基礎代謝が低下すると、エネルギー消費量も低くなるので、エネルギーが余りやすくなります。
余ったエネルギーは、「貯蔵脂肪」として蓄えられるので、加齢により体脂肪がつきやすくなるのです。

上記の表は、日本人の平均的な年代別基礎代謝量を示したものです。
男性は15歳から17歳をピークに、女性は12歳から14歳をピークに減少しています。
加齢によって体脂肪がつきやすくなる理由がよくわかりますね。

 

体脂肪率はカラダを知る大切なバロメーター

若いころから体重が変わっていない場合でも、体組成は変化しています。
この体組成を知るためには、体重だけでなく体脂肪率も測定することが大切です。
体重に対する体脂肪率が、だいたい何%くらいになると『肥満』の範囲にあたるかの目安は、以下の表を参考にしてください。

但し、明確に「やせ」と判断できる体脂肪率はありませんが、必須脂肪以下にすることは、健康を維持する上では勧められません。

また、健康診断の結果などをみると「標準体重」という項目があります。
「標準体重」とは、「BMI(体重kg÷身長m2)=22」となる体重のことです。
このBMIにとらわれて減量や増量をした場合も、大切な筋肉を落としてしまったり、逆にいらない体脂肪を増やしすぎてしまうことがあるため、体脂肪率も一緒に計測していくことが大切です。

 

まとめ

体脂肪は、身体の生理機能を正常に保つために必要です。
しかし、食生活の乱れや運動不足、加齢などによって「貯蔵脂肪」が過剰になると、
スタイルが崩れたり、健康な身体が保てなくなります。
日頃から体重だけでなく体脂肪率も測定し、変化に気づくようにしましょう。
次回は、「落とすべき体脂肪の落とし方とは」についてお伝えします。

管理栄養士・松岡 喜美子

 

<参考>
●厚生労働省 e-ヘルスネット 加齢とエネルギー代謝
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/exercise/s-02-004.html

●第43回 内科学の展望 病態と発症機序を考える
1)内臓脂肪型肥満の病態と包括的治療を考える
https://www.jstage.jst.go.jp/article/naika/105/3/105_391/_pdf/-char/ja

●書籍:肥満・肥満症の指導マニュアル<第2版>  日本肥満学会編集委員会(編)




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