コラム
2019/05/14
【コラム】大人こそ学ぶべき”食育”
みなさん「食育」という言葉をよく耳にするかと思います。
では、「食育」と聞いてどのようなイメージをされますか。
・子どもが楽しく学ぶ
・食について子どもと学ぶ
このようなイメージをされる方が多いのではないでしょうか。
今回は食育の本当の意味についてご紹介します。
食育にはとても大きな意味が含まれています。食に携わる者として「食育」の奥深さを知識として身につけ、仕事や家族・友人とのプライベートの時間など様々な場面で役立てていきましょう。
1.食育の意味とは
食育は、生きる上での基本であって、知育・徳育・体育の基礎となるものであり、様々な経験を通じて「食」に関する知識と「食」を選択する力を習得し、健全な食生活を実現することができる人間を育てることです。
(引用元:農林水産省|食育の推進)
食べることは生涯にわたり続いていきます。子どもはもちろん大人になってからも健全な食生活が実現するためにも、「食」を選択する力や知識をアップデートしていきましょう。
2.栄養指導で伝える食育
「食育は生きる基本」であるのと一緒で、栄養指導も「食育」がベースとなります。食育はライフステージに合わせた食事を選択する力を習得することも重要となるため、栄養指導においては対象者のライフステージに合わせて伝えていきましょう。
①乳幼児期
食べる意欲の基礎を作り、食の体験を広げる
②学童・思春期
食の体験を深め、自分らしい食生活を実現する
③成人期
健全な食生活を実践し次世代へ伝える
④高齢期
食を通じた豊かな生活の実現、次世代へ食文化や食に関する知識や経験を伝える
それぞれのライフステージで「食」の知識を伝え、対象者が理解し選択する力を身につけていくことが大切になります。
3.栄養指導で大人が学ぶ「食育」
重ねてとなりますが、乳幼児や学童期のお子さんは親御さんがつくる「食事」を食べて経験を広げていきます。
栄養指導の際、その対象者のご家族にお子さんや高齢者がいる場合、対象者自身のライフステージだけでなく、家族のライフステージについてもお伝えしていくことで、更なる「食育」に繋がります。
<乳幼児がいる方>
・授乳時はできるだけ静かな環境でしっかりと抱いて優しく声をかけるようにしましょう。
・いろいろな食べ物を見て、触って、味わってみる経験ができるようにしましょう。
・離乳食の進め方は、母子健康手帳の「離乳の進め方の目安」などを参考に。
<小学生・中学生のいる方>
・朝ごはんをしっかり食べ、生活リズムを整えましょう。
・間食は、量や食べる時間、種類などにも気をつけましょう。
<思春期・成人期の方>
・あと1皿、野菜料理を増やすように心がけましょう。
・無理なダイエットは生理不順や将来の骨粗鬆症を招く一因になります。しっかり食べて、しっかりからだを動かして、適正体重をめざしましょう。
<高齢者がいる方>
・体重が減ってきたら要注意。食事の量が足りないと体重が減ってきます。定期的に体重を測りましょう。
・主菜や乳製品などもしっかり食べましょう。
・飲み物で水分補給も忘れずに。
幸いなことに現代は「食育」が盛んに取り上げられており、地域の場での交流や食の情報を発信する場所は増えています。食育についての知識を身につけてより良い生活を提案していき一人でも多く健康な人を増やしていきましょう。
管理栄養士・田中 美穂
≪参考資料≫
・内閣府 食育ガイド
・農林水産省 食育の推進
http://www.maff.go.jp/j/syokuiku/