コロナ禍が落ち着かないまま、令和3年を迎えました。疾病予防には、これまで以上に関心が高まり、管理栄養士・栄養士としての社会への関わり方も大きく変化することが予想されます。
そんな中、管理栄養士・栄養士は、何に注目しているのでしょうか？
今回は、管理栄養士・栄養士に聞いた「栄養士として注目しているコト・モノ」についてのアンケート結果をご紹介します。

【管理栄養士・栄養士に聞いた】あなたが栄養士として注目しているコト・モノは何ですか？

＜注目している栄養素・成分＞

• ビタミンD
• たんぱく質
• アスタキサンチン
• ラクトフェリン
• レジスタントスターチ
• 元オリンピック選手の腸内から見つかった新たなビフィズス菌
• 昆虫栄養
• 野菜の冷凍（生からの作成方法、使い方、栄養価）

＜注目している食品＞

• MCTオイル
• コンビニの食品
• サプリメント
• 介護食
• 抗酸化作用のある食べ物
• 再生野菜
• 中食、調理キット、テイクアウト
• 薬膳

＜注目しているコト＞

• 筋肉量のアップ、維持
• コロナ太り解消
• スポーツ栄養 、美容栄養、遺伝子栄養学、栄養疫学、時間栄養学、精神栄養学、分子栄養学
• 家庭での食育
• 家庭菜園、農業
• 歯科医院、超高齢社会における管理栄養士の役割
• 時短調理
• 食品ロス（給食の残食）の軽減
• 腸内環境
• オンライン料理教室
• エコ

＜注目しているモノ＞

• おうちごはんが楽しくなる調理アイテム
• オシャレ食器
• ウェアラブル端末

【管理栄養士・栄養士に聞いた】栄養士目線でなぜ注目するのか、その理由は？

上記の回答では、注目する栄養素や成分、食品、栄養学を始め、働き方・環境に関わることまで、多様な分野へ注目していることが分かりました。
その理由は、以下の通りです。

＜理由＞

• 免疫力アップ
• 疾病予防
• 最新の栄養学を学びたい
• 食育になる、食べ物の大切さを再確認できる
• パーソナルケアの時代の為
• 心の健康に繋がる、エコ&ヘルシー　　　　　　　　　　　など

疾病予防への関心が高まっていることから、免疫力アップに注目する回答が多く見られました。
また、新しい分野を取り入れ、指導力を開拓していくために必要となる栄養学への関心も高いようです。

【管理栄養士・栄養士に聞いた】具体的なエピソードは？

• 子ども向けの料理教室をしています。。
• こども自身がお手伝いをすると、親子で食事を楽しめるようになりました！
• 個人の遺伝子情報によって、肥満になりやすい体質、糖尿病になりやすい体質などが明らかになれば、対象者にとって必要な優先順位でアドバイスができる。
• コロナに負けない食事のテーマで調理実習をした。
• 特定保健指導において、時間栄養学を取り入れて指導したところ、健康診断結果数値改善につながった。

すでに、現場で活用してよい結果を得られたというエピソードもありました。
また、今後の栄養指導の展望を見据えて、取り入れていきたいという前向きなエピソードも見られ、管理栄養士・栄養士のプロ意識の高さが伺えました。

まとめ

目まぐるしく変化が起こる今、管理栄養士・栄養士として、社会での役割、関わり方は、大きく変わろうとしています。
従来のカロリー計算もAIが難なくこなしてしまう時代が到来しつつあります。そのAIを使いこなし、専門性を発揮するスキルが求められます。

今回のアンケートでは、そのような半歩先を見据えた回答、すでに取り入れて試行錯誤中という回答など、とても前向きな回答が多く得られました。
管理栄養士・栄養士としての活躍の場は、変化しつつも、今後ますます幅が広がりそうですね。

管理栄養士・松岡　喜美子