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アンケート

2020/05/22

アンケート調査結果vol.7 「管理栄養士の本音!食品表示気にしてる?」


これまでの「食品衛生法」「JAS法」「健康増進法」が統合し、事業者にも消費者にも分かりやすく改正され、2015年4月1日に施行された食品表示法。加工品・添加物も2020年3月末に経過処置期限を迎え、いよいよ2020年4月から新表示の義務化がスタートしました。※生鮮食品の経過処置期限は2016年9月30日に終了しています。

 

しかし、昨今の新型コロナウィルス感染拡大防止による影響で、食品流通の円滑化が最優先となり、一部の悪質な違反を除いては、罰則について留保されているようです。

 

そこで、今回は管理栄養士・栄養士に聞いた「食品表示」についてのアンケート結果をご紹介します。

 

管理栄養士・栄養士に聞く「食品を購入する際、食品表示は確認しますか?」

 

なんと96%の管理栄養士・栄養士が、食品表示を確認しているという結果でした。

食のエキスパートである管理栄養士・栄養士のほとんどの方は、食品表示を確認した上で食品を選択していることが分かりました。次の項目では、管理栄養士・栄養士が具体的にどんなところに目をつけるのかについてご紹介します。

 

管理栄養士・栄養士に聞く「食品表示で最も重視する箇所は?」

第1位「添加物」

食品添加物とは、保存料甘味料着色料香料など、食品の製造過程または食品の加工・保存の目的で使用されるもので、大きく4つに分類されています。

  • 指定添加物:安全性を評価したうえで厚生労働大臣が指定した物(キシリトール、クエン酸など)
  • 既存添加物:すでに食品として用いられ、長い食経験から例外的に指定を受けることなく使用・販売が認められたもの(クチナシ色素、ウコン色素など)
  • 天然香料基原添加物:動植物から得られる天然の物質で食品に香りをつけるために使用されるもの(バニラ香料、オリバナムなど)
  • 一般飲食物添加物:通常食品として供されているもので添加物として使用されるもの(寒天、オレンジ果汁、アントシアニンなど)

R2年3月31日時点では、指定添加物465品目、既存添加物357品目がリストに掲載されています(下記URL参照)。「添加物」というと安全性について懸念してしまいますが、1日摂取許容量(ADI)の範囲の内では、健康への悪影響はないとされています。

(日本食品化学研究振興財団HP 添加物リスト)
http://www.ffcr.or.jp/tenka/

 

 

第2位「原材料名」

「原材料名」は、原材料に占める重量の割合の高いものから順に記されます。栄養指導や保健指導の場でも原材料を見る機会は多いですよね。

例えば、和菓子の「大福」は、「大福餅」とも言われるように、もち米を多く使用している印象が強いですが、原材料を見ると「砂糖」が一番最初に書かれているものもあります。

ちなみに「いちご大福」であれば、まず最初に「砂糖」、次に「いちご」と書かれています。通常サイズのいちご1個約20gとすれば、それ以上の砂糖が添加されていることが原材料から読み取れます。

また、メーカーによっては、「つぶあん」と最初に書かれているものもありますが、この「つぶあん」には砂糖も含まれていますので、結果的には、「砂糖」が最も多く含まれている可能性があります。

※メーカーにより原材料は異なります。

 

 

第3位「消費・賞味期限」

消費期限と賞味期限の違いは以下の通りです。

  • 消費期限:袋や容器を開けないままで、書かれた保存方法を守って保存していた場合、「安全に食べられる期限」のこと。例:お弁当、サンドイッチなど。
  • 賞味期限:袋や容器を開けないままで、書かれた保存方法を守って保存していた場合に、「品質が変わらずにおいしく食べられる期限」のこと。例:スナック菓子、インスタント麺、ペットボトル飲料など。

第1位から第3位までが75%を占める回答となりました。

 

最も回答数の少なかった「遺伝子組み換え」については、令和5年4月1日から任意表示が変わります。詳しくは、以下をご確認下さい。

(消費者庁HP)
https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/information/pamphlets/pdf/01_s-foodlabel200330.pdf

 

 

管理栄養士・栄養士に聞く「表示で注目する、具体的なポイント」

【添加物】

  • アセスルファムKやカロリーオフだからと言って添加物入りのものは避けたくて確認する
  • アミノ酸など添加が少ないものを選ぶ
  • 化学的な着色料を使用している商品は最低限購入しないようにしている
  • 添加物に関しては、原材料で既に加工されたものに含まれている添加物は記載義務がないため無添加と記載出来るため、そういった食品表示のトリックがないかを確かめるためにも原材料名を一番重要視している
  • 合成着色料、ソルビン酸などの保存料が使われるのは避ける
  • 発色剤や亜硝酸塩等の有無に着目している

 

【原材料名】

  • プリンなのに、最初の原材料が卵ではない。卵加工品など書いてあったら買わない
  • マーガリンやショートニングなどが使われていないか確認する
  • 原材料がどの順番でかかれているか
  • 原材料に人工甘味料が入っているか、栄養強化食品の場合はその成分量に注目する
  • トランス脂肪酸や人工甘味料は特に避けたい

 

【消費・賞味期限】

  • お土産に買う時には賞味期限を必ず確認する
  • 食品ロスを少なくするために、すぐに使うものは期限が近いものでも購入するようにしている

 

【その他】

  • Q2にある項目はすべて見ている。店頭には類似品あるので、見比べて購入検討比較している
  • 安心で安全なものを選びたいので国産の表示かどうか確認している

 

まとめ

食品が多様化する中、一般消費者が安全に選択し、消費出来るよう食品表示の方法も変わってきています。管理栄養士・栄養士として、一般消費者がそれぞれ正しく選択出来ているのか、添加物のどんな点に気を付けるべきなのかなど、専門的な立場からアドバイスできるように準備をしておきたいですね。

 

管理栄養士・松岡 喜美子

 

≪参考資料≫

厚生労働省HP

https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/food_sanitation/food_additive/pdf/syokuhin496.pdf

消費者庁HP

https://www.caa.go.jp/notice/assets/representation_cms214_200410_1.pdf

農林水産省HP

https://www.maff.go.jp/j/syokuiku/kodomo_navi/featured/abc2.html




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