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2019/12/25

【コラム】米VSパンVS麺 管理栄養士が考えるダイエット中におすすめの主食とは?


一時、糖質制限が話題となり、主食を敬遠する方が増えましたが、最近は少し緩やかになってきたように思います。あまりに多くのところで、主食についてマイナスな情報を耳にすると、管理栄養士・栄養士として、どのような指導が正しいのか不安になりますよね。そこで、今回は、「主食」についてご紹介します。

 

世界の主食

世界を見渡せば一言で「主食」といっても、その土地の文化や歴史、気候によりさまざまです。


日本、中華人民共和国、ミャンマー連邦、ベトナム社会主義共和国、セネガル共和国、ラオス人民民主共和国

小麦
イタリア共和国、フランス共和国、モロッコ王国、チュニジア共和国、ネパール共和国、オーストラリア連邦

じゃがいも
オランダ王国、アンドラ公国

とうもろこし
タンザニア連合共和国、メキシコ合衆国、ルーマニア

 

米VSパンVS麺 日本3大主食を栄養面から比較する

日本で主食といえば「」が代表的ですが、小麦を原料とする「パン」や「麺」を思い浮かべる方もいるでしょう。それぞれを栄養面から比較したものを下にご紹介します。

P:タンパク質 F:脂質 C:炭水化物                 ※食品100g中

 

米VSパンVS麺 低カロリーランキング(1食当たり)

第1位:フランスパン 2切れ (60g) エネルギー:167kcal
第2位:食パン 6枚切り1枚(66g)  エネルギー:172 kcal
第3位:ロールパン 2個(60g) エネルギー:190kcal

食品100g中で比較すると、カロリーは、「米」が低いように見えますが、1食当たりのグラムに換算してみると、ごはん(精白米)お茶碗1膳160g=269kcalに対し、食パン(6枚切り)1枚66g=172kcalと、1食当たりで比較すると食パンの方がカロリーは低いことになります。その他、うどん(生)であれば1食当たり(140g)=378kcalと高カロリーです。
ただし、食パンを2枚食べれば、ご飯1膳分以上のカロリーを摂ってしまうことになるため、管理栄養士・栄養士がきちんと対象者の食習慣と嗜好を踏まえた上で、適切なアドバイスを行わなければいけません。

 

米VSパンVS麺 日本3大主食をGI値から比較する

GI値とは、グライセミック・インデックス(Glycemic Index)の略で、炭水化物を含む食品の食後血糖上昇の度合いを示す指標。
GI値70以上「高GI食品」56~69「中GI食品」55以下「低GI食品」といいます。

GI値から見ると、「ご飯かパンか麺か」よりも玄米やライ麦、全粒粉のように精製されていないものの方が、低い傾向があります。また、高GI食品であっても、食材の組み合わせにより、血糖値の上昇を緩やかにする効果が期待できます。

例えば、

  • 牛乳+ご飯⇒GI 69
  • カレーライス+チーズ⇒67(カレーライス単品:82)
  • ご飯+きゅうりの酢の物⇒75
    ※ご飯を単品で食べた場合の血糖上昇面積を100とする。

血糖値が上がりやすい方には、カロリーよりも、食材の組み合わせを考えてアドバイスするとよいでしょう。

 

米VSパンVS麺 メリットデメリット

上述の表からもわかるように、食べ過ぎると当然、カロリーは多くなりますが、米には塩分が含まれません。減塩が必要な方には、合わせる食材を考慮したうえで、ご飯食を勧めるのも一つの方法です。

そばやパスタも麺自体に塩分は含まれませんが、お出汁やゆで汁にはたっぷりの塩分がありますので、注意が必要です。

一方、つい指摘しがちな菓子パンですが、クリームパン1個で見ると、カロリーはおにぎり2個分程度。タンパク質は、1日の推奨量1/5(成人女性)ほどあります。脂質が高めである点がデメリットであるため、低脂肪乳やトマトミックスジュース(食塩無添加)などと合わせると、菓子パンだけでは不足しがちなミネラルや食物繊維も補えます。

 

まとめ

「朝食の菓子パンをおにぎりに変える」「うどんをそばに変える」などの指導を耳にすることがありますが、果たしてそれが本当に対象者にとってよい食事改善となるのかどうか。上記の表を参考にしていただくと、効果的である場合とそうでない場合があることに気づいていただけると思います。

管理栄養士・栄養士だからこそできる、対象者一人一人の嗜好やライフスタイルに合わせた食事指導を目指しましょう。

管理栄養士・松岡 喜美子

≪参考資料≫

・東京都オリンピック・パラリンピック教育
https://www.o.p.edu.metro.tokyo.jp/children-student/watch-learn/infographics-staplefood

・日本Glycemic Index研究会
http://www.gikenkyukai.com/

・日本食品成分表2019(7訂)

・「GIの値」を知れば糖尿病はよくなる!

・「医療者のための」カーボカウント指導テキスト

 

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