コラム
2019/10/29
【コラム】牛肉VS 豚肉VS 鶏肉 ダイエットするならどれを選ぶ?(前編)
減量指導をする際、お肉の制限をする場合があります。
あまりに「お肉の食べ過ぎに注意しましょう」と言われすぎて、面談開始早々、「肉は食べない」「鶏肉しか食べない」といった自己主張(自己防衛?)をされる方に時々出会います。
そこで、今回は、それぞれのお肉の特徴、ダイエット中のおすすめの食べ方、調理のポイントについて2週にわたってご紹介します。
肉はダイエットの敵か味方か
結論から言うと、「敵」でも「味方」でもありません。
なぜならば、肉は、アミノ酸スコアの高い重要なたんぱく源であり、筋肉の材料としては優秀な食品だからです。
ただし、動脈硬化の原因となるLDLコレステロールを上げる原因ともなる飽和脂肪酸を多く含むものもあったり、高カロリーな料理になりやすかったりするので、注意は必要です。
牛肉 VS 豚肉
カロリー比較とそれぞれの特徴
カロリー | タンパク質 | 脂質 | (内、飽和脂肪酸) | |
リブロース (和牛、脂身つき) |
573kcal | 9.7g | 56.5g | 19.81g |
リブロース (交雑牛肉、脂身つき) |
539kcal | 12.0g | 51.8g | 18.15g |
リブロース (輸入牛肉、脂身つき) |
231kcal | 20.1g | 15.4g | 7.15g |
リブロース(和牛、赤肉) | 436kcal | 14.0g | 40.0g | 14.75g |
リブロース (交雑牛肉、赤肉) |
376kcal | 16.7g | 32.3g | 11.75g |
リブロース (輸入牛肉、赤肉) |
179kcal | 5.7g | 9.1g | 3.80g |
ヒレ(和牛) | 223kcal | 19.1g | 15.0g | 5.79g |
サーロイン(和牛) | 498kcal | 11.7g | 47.5g | 16.29g |
もも(和牛、脂身つき) | 259kcal | 19.2g | 18.7g | 6.01g |
※全て食品100g中
よく「霜降り肉」といいますが、牛肉は肉の繊維の中に脂肪があります。その為、脂肪分が高く、他のお肉と比べて高カロリーです。
一方、赤身肉を選ぶと、脂肪分が少なく、カロリーを控える事ができ、鉄分や亜鉛などのミネラル、脂肪燃焼効果を期待できる「L-カルニチン」を効率よく摂る事が出来ます。
★調理のポイント★
- 赤身肉を選ぶ
- サッと焼いて余分な脂を落とす(加熱しすぎない)
- 付け合わせに野菜を
- ほうれん草、小松菜、クレソンなど⇒ビタミンC豊富で鉄分吸収アップ
- 大根おろし、わさび⇒酵素の力で消化促進&脂肪燃焼効果アップ
★おすすめ料理★
- 網焼き(塩レモンやサンチュを添えて)、グリル(大根おろしとわさびを添えて)
カロリー | タンパク質 | 脂質 | (内、飽和脂肪酸) | |
もも (大型種、脂身つき) |
183kcal | 20.5g | 10.2g | 3.59g |
ロース (大型種、脂身つき) |
263kcal | 19.3g | 19.2g | 7.84g |
ヒレ(大型種、赤肉) | 130kcal | 22.2g | 3.7g | 1.29g |
バラ (大型種、脂身つき) |
395kcal | 14.4g | 35.4g | 14.60g |
豚肉の脂は、オレイン酸などの一価不飽和脂肪酸が豊富です。部位にもよりますが、例えば、もも(大型種、脂身つき)で、見てみると、脂質10.2g中、飽和脂肪酸は3.59gに対し、一価不飽和脂肪酸は4.24gと飽和脂肪酸よりも多く含まれます。当然、脂が多いものは、カロリーは高くなりますが、上手に取り入れることで、コレステロールの改善に役立ちます。
また、糖をエネルギーに変えるために必要なビタミンB1の含有量は、食品の中でもトップクラス。牛肉の約10倍含まれます。ビタミンB1を損なわない食べ方がおすすめです。
★調理のポイント★
- 「茹で」より「焼き」「蒸し」「炒め」がおすすめ
- 玉ネギ、ニンニク、ニラ、ネギなどの「アリシン」を含む野菜と一緒に
- 調理に使う油は最低限に
★おすすめ料理★
- 豚ばら肉と温野菜のせいろ蒸し、豚の生姜焼き、ポークチャップ
- 焼き餃子(こま切れをたたいて粗びき肉にするとカロリー減、旨味アップ)
次週は鶏肉とまとめです!!
管理栄養士・松岡 喜美子
≪参考資料≫
食品成分データベース
https://fooddb.mext.go.jp/index.pl
≪続きはこちらから≫
https://nutriworks.jp/post/columns/238